お盆にミソハギを飾るのは日本の伝統的な風習ですが、近年はミソハギが手に入りにくいという声も聞かれます。
そこで気になるのが、ミソハギの代用品。果たしてミソハギの代わりになる花はあるのでしょうか?
また、代用品を使ってお盆のお飾りをする際の注意点は?
この記事では、ミソハギの代用になる花や、お盆の飾り方のポイントを詳しく解説します。
ミソハギが手に入らなくて困っている方や、初めてのお盆でお飾りの仕方がわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。
- ミソハギの代用品として最適なのはハナトラノオやエゾミソハギ
- 盆棚の代わりに神棚、祭壇、経机を使うことができる
- ミソハギは精霊棚の閼伽水や水の子の近くに束ねて供え、穂先で水をかける
- 初盆以外は色とりどりの盆提灯や造花を使って華やかに飾るのもおすすめ
お盆のミソハギの代用品とその飾り方
ミソハギの代用になる花
お盆にミソハギを飾るのが難しい場合、代用になる花をお探しの方も多いのではないでしょうか。ミソハギの代用品として代表的なのは、ハナトラノオです。ハナトラノオはミソハギによく似た花で、濃いピンク色や白色の花が咲きます。花穂は長い四角錐のような形状をしており、ミソハギと見分けがつきにくいほどよく似ています。
もう一つのミソハギの代用品としてエゾミソハギが挙げられます。エゾミソハギは名前に「エゾ」とついていますが、北海道だけでなく日本各地に自生しています。ミソハギよりも少し大型で、開花時期も早めですが、盆花として使用している地域もあるようです。
ミソハギの代わりに使える花の特徴
ハナトラノオは北アメリカ原産の多年草ですが、ミソハギと同様に暑さ・寒さに強く丈夫な花です。開花時期は7〜10月とミソハギとほぼ同時期に咲くため、お盆の花としてぴったりです。花の色もミソハギに似ているので、見た目の雰囲気もあまり変わりません。
一方、エゾミソハギはミソハギよりも少し大型の花で、開花時期も7月上旬から8月中旬とミソハギよりも早いです。ただし、花の色や形はミソハギによく似ているので、代用品としては問題ありません。エゾミソハギもミソハギ同様、丈夫で育てやすい植物です。
お盆のミソハギの飾り方と使い方
ミソハギは精霊棚へ飾るのが一般的です。精霊棚に供えられている閼伽水(あかみず)や水の子の近くに、5本程度を束ねて供えます。閼伽水は蓮の葉の入った器に水を注ぎ、そこにミソハギを添えるのが定番の飾り方です。
お参りをする際には、ミソハギの穂先を閼伽水に浸し、水の子へかけて清めます。水の子はナスやキュウリを細かく刻んだものを、洗ったお米と混ぜたお供え物のことです。ミソハギで水の子に水をかけることで、ご先祖様の口を潤し、お清めするという意味があります。
お盆用ミソハギを自宅の庭に植えてはいけない理由
お盆用のミソハギは、自宅の庭に植えてはいけないとされています。その理由は、ミソハギが魔除けの力を持っているからです。お盆の時期に使用したミソハギを庭に植えてしまうと、ご先祖様の霊を庭に引き止めてしまう可能性があるのです。
また、ミソハギは毒性がある植物でもあります。ペットや小さなお子様がいるご家庭では、誤って食べてしまう危険性もあるため、庭に植えるのは避けた方が無難でしょう。お盆が終わったら、ミソハギはお寺に持っていってお焚き上げしてもらうか、燃えるゴミとして処分するのがよいでしょう。
ミソハギの花言葉が怖い由来
ミソハギの花言葉は「愛の悲しみ」や「慈悲」など、どこか悲しげな意味合いがあります。特に「愛の悲しみ」という花言葉は、お盆にミソハギを見てご先祖様を偲び、亡くなった方への思いを馳せることから付けられたと言われています。
また、ミソハギは「現世と黄泉の国を結ぶ花」とも言われており、お盆の期間中は現世とあの世の境目が曖昧になるため、ミソハギを通してご先祖様が現世に帰ってこられると考えられてきました。そのため、ミソハギには少し不気味なイメージがあり、花言葉にも反映されているのかもしれません。
ミソハギ以外のお盆飾りの代用アイデア
盆棚の代用になるもの
本格的な盆棚が用意できない場合は、代用品を使ってお盆飾りを行うこともできます。盆棚の代わりになるのは、神棚や祭壇、経机(きょうづくえ)などです。神棚や祭壇は、普段からご家庭にある方も多いのではないでしょうか。それらを盆棚の代わりとして使用することで、スペースを取らずにお盆飾りができます。
経机は仏具店やホームセンターなどで購入できます。脚を折りたたむことができるタイプもあるので、収納にも困りません。経机の上に白い布を敷いて、その上にお盆飾りを並べるだけでも立派な盆棚の代用になります。
初盆以外のお盆飾りの工夫
初盆の場合は、白い盆提灯や白い花を飾るのが一般的ですが、初盆以外の場合は、色とりどりの盆提灯や造花を使ってお盆飾りを華やかにするのもおすすめです。最近は100円ショップでもリーズナブルなお盆飾りグッズが手に入るので、ご自宅のインテリアに合わせて自由にアレンジしてみてください。
また、お盆飾りには精霊馬(しょうりょうま)と呼ばれる、きゅうりとなすで作った馬のお飾りを置くのが定番ですが、できあいの精霊馬を購入したり、木で作った精霊馬を買ってリユースするのもよいでしょう。
お盆のお仏壇の飾り方
盆棚やお盆飾りとは別に、お仏壇も盆らしく飾り付けしましょう。お盆の時期は普段よりも多めのお花を飾ったり、ちょっと豪華なお供え物を用意したりするのがおすすめです。お仏壇の周りに蓮の造花を飾るのも季節感があっていいですね。
また、お盆の期間中は、仏壇のお掃除をしっかり行いましょう。普段は手の届きにくい場所も、この機会にきれいにしておくと、ご先祖様も喜んでくださるはずです。
お盆飾りの使い回しについて
以前は毎年新しいお盆飾りを用意するのが一般的でしたが、最近はリユース可能なお盆飾りグッズも増えてきました。造花の盆提灯や、木や陶器でできた精霊馬は、毎年使い回しができます。使い終わったら丁寧に洗って、来年まで大切に保管しておきましょう。
ただし、生花や食べ物のお供えは、毎年新しいものを用意する必要があります。使い回しできる部分とできない部分を上手に分けて、無駄のないお盆の準備をするのが賢明だと言えるでしょう。
お盆にそうめんを供える方法
お盆のお供え物として欠かせないのが、そうめんです。そうめんを器に盛り付けて、盆棚やお仏壇に飾るだけでもよいのですが、供え方にも工夫ができます。
そうめんを万力で挟んで立てて飾ったり、そうめんで精霊馬の手綱を表現したりするのもおすすめです。また、三つ折りにしたそうめんを菰(こも)に見立てて、野菜の馬に乗せるのも風情があります。そうめんを使った様々な飾り方を試してみてはいかがでしょうか。
お盆になぜミソハギを使うのか
お盆にミソハギを飾る理由は諸説ありますが、ミソハギが魔除けの力を持っているという説が有力です。ミソハギは古くから神事に使われてきた植物で、お盆の時期に咲くことから、ご先祖様を迎える花として定着したと考えられています。
また、ミソハギは水辺に生える植物なので、その葉に水を含ませて供えることで、ご先祖様の口を潤すという意味もあるようです。他にも、ミソハギの花言葉が「愛の悲しみ」であることから、亡くなった方への思いを表す花としてお盆に飾られるようになったという説もあります。
ミソハギは仏花といえるのか
ミソハギは盆花として知られていますが、仏花としても使用されています。特に、お盆の時期以外でもお彼岸や法事の際に飾られることがあります。
ただし、ミソハギには毒性があるため、生けておく期間が長くなると雰囲気が悪くなってしまうこともあります。そのため、仏壇に長く飾っておく仏花としてはあまり向いていないと言えるでしょう。ミソハギはお盆の期間のみ飾るのがベストだと覚えておきましょう。
Q&Aよくある質問
Q. ミソハギが手に入らない場合はどうしたらいいですか?
A. ミソハギの代用品として、ハナトラノオやエゾミソハギを使用するのがおすすめです。見た目が似ているので、違和感なくお盆飾りができます。100円ショップなどでも造花のミソハギが売っていることがあるので、探してみるのもよいでしょう。
Q. 水の子とはどんなものですか?
A. 水の子は、お盆に欠かせないお供え物の一つです。ナスときゅうりを細かく刻んだものに、洗ったお米を混ぜ、器に盛り付けたものを指します。その上からミソハギに含ませた水をかけ、ご先祖様の口を潤します。水の子は精進料理の一つとも言われています。
Q. 数珠とは何ですか?
A. 数珠とは、仏教で使われる prayer beads(お数珠、念珠)のことです。般若心経を唱えながら、数珠を一つずつ指で弾いて数えます。数珠の玉の数は宗派によって異なりますが、曹洞宗では 108玉の数珠が一般的です。葬式の際には喪主や遺族、僧侶が数珠を手に持ちます。
まとめ
お盆にミソハギを飾るのが難しい場合は、ハナトラノオやエゾミソハギを代用品として使うのがおすすめです。
また、盆棚の代わりに神棚や祭壇、経机を使ってお盆飾りをすることもできます。
初盆以外の盆提灯は、色とりどりのものを使って華やかに飾り付けるのも素敵ですね。そうめんの飾り方を工夫したり、お仏壇のお掃除を丁寧に行ったりして、ご先祖様をお迎えする準備をしましょう。
お盆飾りの多くは毎年使い回しが可能なので、上手にリユースしながら無駄のないお盆の準備をするのがポイントです。ミソハギを使う意味を理解して、心を込めてご先祖様をお迎えしましょう。
記事のまとめ
- ミソハギの代用品としてハナトラノオやエゾミソハギがおすすめ
- ハナトラノオとエゾミソハギはミソハギによく似た花
- ミソハギは精霊棚の閼伽水や水の子の近くに5本程度を束ねて供える
- お参りの際はミソハギの穂先を閼伽水に浸し、水の子へかけて清める
- お盆用のミソハギは自宅の庭に植えてはいけない
- ミソハギの花言葉「愛の悲しみ」はお盆に亡くなった方を偲ぶことから付けられた
- 盆棚の代わりに神棚、祭壇、経机を使うことができる
- 初盆以外は色とりどりの盆提灯や造花を使って華やかに飾るのもおすすめ
- 精霊馬は毎年使い回し可能な木や陶器製のものを選ぶとよい
- そうめんの飾り方を工夫するのもお盆ならではの楽しみ方
- ミソハギにはご先祖様を迎える花としての意味や、水を含ませて口を潤す意味がある
- ミソハギは盆花として最適だが、仏花として長く飾るのには向かない