ヴィクトリアシークレットは、セクシーでラグジュアリーなランジェリーブランドとして世界的に有名ですが、日本では店舗を見かけることはありません。
実は、同ブランドが日本市場から撤退した背景には、日本人女性の体型への不適合や、時代に合わなくなったブランドイメージなど、様々な要因が絡み合っているのです。
本記事では、ヴィクトリアシークレットが日本に店舗を出店しない理由を詳しく解説し、現在の購入方法や今後の展開についても探っていきます。
ヴィクトリアシークレットの日本市場における課題と可能性を、一緒に考えてみましょう。
- ヴィクトリアシークレットが日本にない主な理由は、日本人女性の体型に合わないことと時代遅れのブランドイメージである
- 現在、日本での購入方法は公式通販サイトのみだが、サイズ選びや送料に注意が必要である
- 日本市場への再進出の可能性はあるが、ブランドイメージの刷新と商品展開の見直しが求められる
- 日本人モデルの起用など、ヴィクトリアシークレットは日本市場を意識した取り組みも行っている
ヴィクトリアシークレットが日本に店舗を出店しない理由
日本人女性の体型に合わないランジェリー
ヴィクトリアシークレットが日本に店舗を出店しない理由の一つは、日本人女性の体型に合わないランジェリーを販売しているからです。
アメリカ発のブランドであるヴィクトリアシークレットは、欧米人女性の体型を基準にデザインされたランジェリーを取り扱っています。
そのため、日本人女性の体型にはサイズ感やデザイン面で合わない商品が多いのです。
実際に、過去に日本で期間限定のショップがオープンした際も、手に取る人は多かったものの、購入に至らないケースが目立ちました。
日本人女性の繊細な体型に合わせたサイズ展開やデザインの調整が不可欠だと言えるでしょう。
でも、海外の有名ブランドには日本人向けのサイズを用意しているところもありますよね。ヴィクトリアシークレットにはそういった取り組みはないのでしょうか?
おっしゃる通り、多くのグローバルブランドが日本人の体型に合わせたサイズ展開を行っています。しかし、ヴィクトリアシークレットの場合、独自のサイズ感やデザインが売りの一つであるため、安易な変更は難しいのかもしれません。とはいえ、日本市場に本格参入するためには、サイズ調整は避けて通れない課題ですね。ブランド側の今後の対応に注目です。
時代遅れになったブランドイメージ
ヴィクトリアシークレットが日本市場に参入しない理由として、時代遅れになったブランドイメージも挙げられます。
かつては、セクシーなイメージと高級感で女性から絶大な支持を集めていましたが、近年は「ナチュラル志向」や「ボディポジティブ」といった価値観の変化に伴い、ヴィクトリアシークレットのブランドイメージが時代に合わなくなってきているのです。
例えば、同ブランドは長年、「エンジェル」と呼ばれる美しいモデルを起用し、華やかなファッションショーを開催してきました。
しかし、現在では多様性を尊重する風潮が強まったことで、一部の美しさを称賛する姿勢に批判が集まるようになりました。
こうした時代の変化に、ヴィクトリアシークレットが対応しきれていないことが、日本市場への参入を躊躇させている要因の一つと言えるでしょう。
有名だったエンジェルシステムの廃止
ヴィクトリアシークレットの象徴的な存在であった「エンジェル」が廃止されたことも、同ブランドが日本市場に参入しない理由の一つです。
「エンジェル」とは、同ブランドのファッションショーで華々しくランウェイを歩くモデルたちのことを指します。
彼女たちは、ヴィクトリアシークレットの顔として、ブランドイメージの向上に大きく貢献してきました。
しかし、先述の通り、時代の変化とともに「エンジェル」の存在意義が問われるようになり、2019年に開催された最後のショーを機に、このシステムは廃止されることとなりました。
「エンジェル」という象徴的な存在を失ったヴィクトリアシークレットは、ブランドの方向性を模索している最中であり、日本市場への進出は優先順位が低いと考えられます。
毎年恒例のファッションショーの中止
ヴィクトリアシークレットの最大のイベントであった毎年恒例のファッションショーが中止されたことも、日本市場への参入を躊躇させる要因の一つでしょう。
同ブランドのファッションショーは、豪華なセットとパフォーマンス、そして「エンジェル」と呼ばれるモデルたちの華やかなランウェイが話題を呼び、世界中から注目を集める一大イベントでした。
しかし、2019年を最後にこのショーは中止されることとなりました。
ショーの中止は、ブランドの知名度やイメージの向上に大きな影響を与えます。特に、日本では同ブランドの認知度がそれほど高くないため、ファッションショーの中止はブランド力の低下に直結すると言えるでしょう。
こうした状況下では、日本市場への参入は難しいと判断されているのかもしれません。
職場でのハラスメント問題
ヴィクトリアシークレットが日本市場への参入に慎重な姿勢を見せる背景には、職場でのハラスメント問題も関係していると考えられます。
2020年、同ブランドの親会社であるLブランズの幹部が、モデルへのセクハラ行為で解雇される事態が発生しました。この問題は、ブランドイメージに大きな打撃を与えただけでなく、企業風土そのものへの不信感を招く結果となりました。
日本市場は、企業の社会的責任や倫理的な姿勢を重視する傾向にあります。
ハラスメント問題を抱えるヴィクトリアシークレットが、現状のままで日本に進出することは難しいと言わざるを得ません。同ブランドには、まず自社の企業風土を改善し、社会からの信頼を回復することが求められているのです。
ヴィクトリアシークレットの現状と日本での購入方法
海外での店舗展開の現状
ヴィクトリアシークレットは、現在も世界中に多くの店舗を展開しています。
2022年時点で、同ブランドは全世界に約1,400店舗を構えており、特にアメリカ国内では高い人気を誇っています。また、近年はアジア地域での店舗展開にも力を入れており、中国や香港、シンガポールなどに多くの店舗があります。
一方で、ヨーロッパでの店舗数は限定的で、イギリスやイタリアなど一部の国に留まっています。
日本を含む多くのアジア諸国でも、直営店の出店は見送られている状況です。ヴィクトリアシークレットは、各国の市場特性を見極めながら、慎重に店舗展開を進めているようです。
ヴィクトリアシークレットは、世界的に見れば依然として人気のブランドであることがわかります。日本に出店していないからと言って、ブランドの力が衰えたわけではないようですね。
日本国内の店舗はなぜ閉店したのか
日本国内にあったヴィクトリアシークレットの店舗が閉店した理由は、主に2つあります。 1つ目は、日本人女性の体型に合わないことです。
前述の通り、同ブランドの商品は欧米人女性の体型を基準にデザインされているため、日本人女性にはサイズ感が合わないことが多いのです。試着する人は多くても、購入に至らないケースが目立ちました。
2つ目の理由は、ブランドイメージの変化です。
かつてのヴィクトリアシークレットは、セクシーさと高級感で女性の憧れの的でしたが、時代とともに「ナチュラル志向」や「ボディポジティブ」といった価値観が広まり、同ブランドの路線とは合わなくなってきました。
こうした変化に対応しきれなかったことが、日本からの撤退につながったと考えられます。
新宿に期間限定ストアがオープンしていた?
2018年、ヴィクトリアシークレットは新宿に期間限定のポップアップストアをオープンしました。 このストアは、同ブランドの日本初上陸を記念して設けられたもので、多くの女性が訪れる人気スポットとなりました。
店内には、ランジェリーをはじめ、ボディケア商品やアクセサリーなどが並び、ヴィクトリアシークレットの世界観を存分に味わえる空間が演出されていました。
しかし、このポップアップストアは約2ヶ月で閉店することとなりました。
期間限定とはいえ、短期間で幕を下ろした背景には、日本市場での厳しい現実があったのかもしれません。ただ、ポップアップストアの反響は大きく、日本の女性たちのヴィクトリアシークレットへの関心の高さがうかがえました。
東京での店舗再出店の可能性は?
現在のところ、ヴィクトリアシークレットが東京に再び店舗を出店する具体的な計画はないようです。 前述の通り、同ブランドは日本市場への参入に慎重な姿勢を見せており、直営店の展開は見送られている状況です。
ただ、新宿のポップアップストアが大きな反響を呼んだことを考えると、今後、期間限定ショップなどの形で再上陸する可能性は十分にあるでしょう。
また、東京は世界屈指のファッション都市であり、多くのグローバルブランドが進出しています。ヴィクトリアシークレットにとっても、東京は魅力的な市場であることに変わりはありません。
今後、同ブランドが日本市場へのアプローチを再考する際には、まず東京での店舗展開が検討されるはずです。ヴィクトリアシークレットの動向から目が離せません。
公式通販サイトでの購入方法
日本にヴィクトリアシークレットの直営店がない現状では、公式通販サイトが唯一の購入方法と言えるでしょう。 同ブランドの公式サイトは、日本語表記に対応しており、日本円での決済も可能です。
商品ラインナップは、ランジェリーをはじめ、ルームウェア、ビーチウェア、ビューティアイテムなど多岐にわたります。
ただし、公式通販サイトには注意点もあります。まず、サイズ表記が日本と異なるため、慎重なサイズ選びが必要です。
また、送料が高額になる場合があり、購入金額が100ドル(約11,000円)未満だと15ドル(約1,600円)の送料が発生します。さらに、返品や交換の際は、送料が自己負担となる点にも注意が必要でしょう。
注文したアイテムが届かない場合の対処法
ヴィクトリアシークレットの公式通販サイトで注文したアイテムが届かない場合、まずは配送状況を確認することが大切です。 同ブランドの商品は、国際郵便で発送されるため、通常の国内配送よりも時間がかかる傾向にあります。
発送から到着まで、通常2~4週間程度を要します。したがって、注文から1ヶ月以上経過しても商品が届かない場合は、問い合わせを検討しましょう。
問い合わせ先は、ヴィクトリアシークレットの公式サイト内にあるカスタマーサポートセンターです。メールまたは電話で、注文番号と氏名、連絡先を伝えて状況を確認します。
万が一、配送トラブルや商品の欠陥があった場合は、返金や再発送などの対応を求めることができるはずです。ただし、国際送料が高額になる点には注意が必要です。
日本人モデルの起用状況
ヴィクトリアズ・シークレットは2020年、初の日本人モデルとして小椚ちはる(CHIHARU)を起用。小椚は1992年5月15日生まれの東京都出身で、春コレクションのモデルを務めた。
過去には、日本とスウェーデンのハーフであるダレン・バーネットが、同ブランド初の男性モデルとして抜擢されている。また、1995年生まれのベルギー出身モデル、ユミ・ランバートは父方の祖母が日本人で、2015年のヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショーに出演した。
ヴィクトリアズ・シークレットは近年、多様性の欠如が指摘され苦境に立たされているが、アジア人モデルの起用は徐々に進んでいる。2017年の上海でのショーには、中国人モデル7名が出演するなど、インクルーシブな方向へ舵を切りつつある。
日本人モデルの起用は、ヴィクトリアシークレットが日本市場を意識している表れかもしれません。ダイバーシティを尊重する流れは、ファッション業界全体の大きな潮流になっていますからね。今後もアジア人モデルの活躍に期待です!
まとめ
ヴィクトリアシークレットが日本市場から撤退した理由は複雑ですが、ブランドイメージの刷新と、日本人女性のニーズに合わせた商品展開が求められています。
今後の動向に注目しつつ、公式通販サイトを賢く利用することで、憧れのヴィクトリアシークレットのアイテムをゲットしてみてはいかがでしょうか。
記事のまとめ
- 日本人女性の体型に合わないランジェリーを販売しているから
- 時代遅れになったブランドイメージが日本市場への参入を阻んでいる
- ヴィクトリアシークレットの象徴的存在であった「エンジェル」が廃止された
- 毎年恒例の華やかなファッションショーが中止となった
- 親会社幹部のハラスメント問題がブランドイメージに打撃を与えた
- 世界中に多くの店舗を展開しているが、日本には直営店がない
- 2018年に新宿に期間限定ストアがオープンしたが、約2ヶ月で閉店した
- 現在、東京に再び店舗を出店する具体的な計画はない
- 日本での購入は公式通販サイトのみだが、サイズ選びや送料に注意が必要
- 注文したアイテムが届かない場合は、カスタマーサポートに問い合わせる
- 今後、日本市場への再進出の可能性はあるが、ブランドの変革が求められる